僕もS&P500に投資してるし、もっとS&P500について知りたいなって思ったんだけど教えてもらえたりする?
今回はS&P500が誕生するまでの歴史と基礎知識について解説します。
すでに資産運用をしている人は、あまりにも有名な指数なので「S&P500」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
しかしS&P500に投資している人の中には「よくわからないけどおすすめされたから」という理由だけで投資している人もチラホラ見かけます。
せっかく自分の大切なお金を投資しているのに勿体ないですし、何よりこれではいずれお金を失いかねません。
S&P500の魅力を改めて確認しておくことで、どんな時でも慌てず冷静な判断に繋げられると思います。
私もS&P500に投資している一人なので、ポイントを絞ってお伝えします。
よくわかっていないという人は気楽に、ある程度知っているという人は復習のつもりで目を通してもらえたらと思います。
- S&P500誕生の歴史がわかる
- S&P500が優良指数と言われる理由
S&P500の豆知識

S&P500の由来
まずは「S&P500」という名前について解説していきます。
一言でいうとStandard&Poor’s(スタンダード&プアーズ)という会社の名前が由来で、ある一定の基準をクリアした約500社で構成されています。
Standard&Poor’s(スタンダード&プアーズ)は、Standard Statistics(スタンダード・スタティスティックス)とPoor’s Publishing(プアーズ出版)という2社が合併してできた会社です。
ちなみに現在はS&P Global Ratings(S&P グローバル・レーティング)へ社名を変更し、世界的にも最大手の格付け会社となっています。
格付けを簡単に説明すると国債や社債の利払いや償還能力をについて、財務調査などを行い評価することです。
AAA(トリプルA)からBBB(トリプルB)までが「投資適格」とされています。
S&P500が誕生するまでの経緯
次はS&P500が誕生するまでの経緯について紹介します。
「そうなんだ~」くらいの軽い感じで読んでもらえれば大丈夫です。
S&P500の誕生にはヘンリー・ヴァーナム・プアー氏が大きく関わっており、年表にすると下記の通りです。
- 1812年:ヘンリー・ヴァーナム・プアー氏がアメリカで生まれる。
- 1838年:弁護士資格を取得し、兄であるジョン・プアー氏と弁護士事務所を開業。
- 1849年:兄のジョン・プアー氏が「American Railroad Journal」を買収し、弟のヘンリー・ヴァーナム・プアー氏は経営者兼編集者となる。
- 1860年:「プアーズ出版」を創業し、米国の鉄道会社に関する最初の投資ガイドを出版。
- 1905年:ヘンリー・ヴァーナム・プアー氏が亡くなる。
- 1941年:「スタンダード・スタティスティックス」と「プアーズ出版」の2社が合併。
- 1957年:S&P500が誕生
ヘンリー・ヴァーナム・プアー氏は、合併前のPoor’s Publishing(プアー出版)の創業者というわけです。
優良な指数の代表格ともいえる「S&P500」は非常に長い月日を経て出来ており、現代に生きる私からすれば感謝という言葉以外ありません。
ちなみにS&PグローバルもS&P500を構成する1社です。
S&P500の基礎知識

時価総額加重平均型
S&P500は時価総額加重平均型の指数です。
つまり500社に0.2%ずつ均等に投資しているわけではありません。
時価総額は「発行済株式数 × 株価」で計算ができ、下記のようになります。
- 時価総額が大きい銘柄に多く投資する。
- 時価総額が小さい銘柄に少なく投資する。
S&P500の2025年5月30日時点での上位10銘柄は、以下の通りです。
マイクロソフト、エヌビディア、アップルと世界トップクラスの会社が名を連ねています。
出典:S&P Global
時価総額加重平均は身近なもので、イメージすると少しわかりやすくなると思います。
例えばお弁当屋さんです。
このお弁当屋さんでは唐揚げ弁当、生姜焼き弁当、鮭弁当の3つが特に人気だとします。
その場合、人気のお弁当を多く、あまり人気のないお弁当は少なくすることで売り切れや在庫残りを防ぐことが出来ます。
「時価総額加重平均型」と言われると難しく感じるかもしれませんが、市場に合わせて比率を調整していると理解しておけば大丈夫です。
セクター比率
S&P500の2025年5月30日時点でのセクター比率は、以下の通りです。
出典:S&P Global
セクター比率を見ることで、どの業種にどのくらい投資しているかがわかります。
2025年時点では情報技術(IT)が最も多くなっていますが、時代によって内訳は変わっていきます。
この変化こそがS&P500が優良指数と言われる理由の1つです。
10年後はどうなってるんだろう
指数の推移
下記は1871年から2025年までの約150年間チャートです。
S&P500の単位は「ポイント」で1941年から1943年における平均指数を10とし、ここを基準点としています。
つまり基準点からどのくらい増減したかによって、S&P500の成長度合いがわかるというわけです。
チャートをみれば一目瞭然ですが、2025年6月時点で 6,000ポイントを超え、基準値から600倍以上に成長しています。
EPSが右肩上がり
S&P500のEPSは長期的に見ると下記の通り、右肩上がりになっています。
EPSとは1株当たりの純利益のことです。
2019年12月は約170ドルでしたが、2024年12月には214ドル(+44ドル)まで上昇しています。
企業が利益を出すことは、株価を上昇させる要因になります。
この後S&P500の指数に入るための追加基準について紹介しますが、この追加基準が上手く機能していることがEPSを右肩上がりにしている背景でもあります。
S&P500に入れるのは選ばれし企業たちで、利益が上げられない会社は指数から外され他の優秀な会社が加わります。
S&P500の強みとして、新陳代謝があることを覚えておきましょう。
厳しい追加基準
S&P500の仲間入りをするための主な追加基準は下記の通りです。
- 米国企業であること
- 時価総額が一定以上
- 発行株式の50%以上が浮動株
- 4四半期連続で黒字
- ベースとなるユニバース全体のセクター構成と等しい
これだけ聞くと難しく感じると思いますが、できるだけわかりやすく解説していきます。
ちなみにS&P500の追加基準はある程度公開されていますが、最終的には指数委員会が四半期ごとに銘柄入れ替えを検討しています。
米国企業であること
1つ目の追加基準は、米国企業であることです。
もう少し詳しく言うと企業の資産所在地や売上地域、上場場所等が採用判断の一つになっているということです。
S&P500はニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している約500銘柄の集合体です。
つまり東証プライムには日本を代表するような会社が上場していますが、残念ながらこれらの会社がS&P500に採用されることはありません。
時価総額が一定以上
2つ目の追加基準は、時価総額が205 億ドル以上であることです。
(参考:S&P 米国株価指数メソドロジー 2025 年 3 月)
簡単にいうと大企業ということです。
ちなみに時価総額がいくら以上という基準は、定期的に見直されます。
発行株式の50%以上が浮動株
3つ目の追加基準は、50%以上が浮動株であることです。
浮動株とは株式市場で取引できる株式の割合のことで、例えばオーナー1人で株式を80%保有していた場合、市場で取引できる株式の割合は20%となります。
上記のような会社はS&P500には採用されないということです。
4四半期連続で黒字
4つ目の追加基準は、4四半期連続で黒字であることです。
直近の四半期の利益がプラスであるとともに、直近4つの四半期の利益の合計がプラスであることが求められます。
つまり健全な財務であることが条件というわけです。
ベースとなるユニバース全体のセクター構成と等しい
5つ目の追加基準は、ベースとなるユニバース全体のセクター構成と等しいことです。
ここで言うベースとなるユニバースは、すべての米国企業です。
つまりS&P500は米国企業全体のセクター(業種)構成と同じようになるようにしているということです。
S&P500は米国の主要な約500社で構成されているわけですが、この条件を考慮しないと特定の業種に偏ってしまう可能性があるからです。
S&P500が米国全体を表していると言われるのは、セクター構成を考慮していることも大きな要因です。
まとめ

今回はS&P500が誕生するまでの歴史と基礎知識について解説しました。
- S&P500の豆知識
- S&P500の基礎知識
S&P500は数少ない優良な指数の一つですが、チャートを見てもわかる通り一貫して右肩上がりを続けてきたわけではありません。
- 短期的には大きく下落する局面もある
- 長期的には右肩上がりになっている
短期的な下落で動揺しないようにするには、S&P500がどんな指数なのかを理解しておくことが重要です。
ちなみに証券口座を持っていない人やこれから本格的に投資していきたいと考えている人は、「楽天証券」か「SBI証券」がおすすめです。
口座開設も無料で、S&P500への投資を始めることができます。
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。