やっぱりカッコいいスポーツカーに乗って、豪華な家に住んでるのかな・・・
今回はロングセラー書籍『となりの億万長者 〔新版〕 ― 成功を生む7つの法則』について解説します。
アメリカ富裕層研究の第一人者であるスタンリー博士とダンコ博士は、1980年6月に大手銀行から億万長者に関する全国調査を依頼されました。
博士たちは1万人以上の億万長者へインタビューやアンケート行ったそうです。
本書籍はその時の膨大な統計データをもとに、億万長者の考え方や生活に迫った1冊です。
億万長者のイメージとして高級ブランドを身につけたり、高級料理店に毎日行ったりする人を想像する人も多いのではないでしょうか。
しかし資産や年収、職業、消費行動などを調査した結果、そのほとんどは一般的な職業と家庭をもった「普通の人々」でした。
ではなぜ彼らのように億万長者になれる人となれない人がいるのか、本書籍は一つの答えを示してくれています。
- 7つの成功法則で重要ポイント
- 成功法則を実生活で活かすためのヒント
『となりの億万長者』7つの成功法則
これから紹介する「7つの成功法則」は下記の通りです。
- 彼らは、収入よりはるかに低い支出で生活する
- 彼らは、資産形成のために、時間、エネルギー、お金を効率よく配分している
- 彼らは、お金の心配をしないですむことのほうが世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える
- 彼らは、社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない
- 彼らの子供たちは、経済的に自立している
- 彼らは、ビジネス・チャンスをつかむのが上手だ
- 彼らは、ぴったりの職業を選んでいる
自分はいくつ当てはまるか、確認しながら読み進めてもらうと今後の方向性を決めるヒントになると思います。
ちなみに私が本書籍を初めて読んだタイミングと期間は、下記の通りです。
初めて読んだタイミング・・・2021年5月
読書期間・・・約1週間
ページ数・・・352ページ
成功法則①:彼らは、収入よりはるかに低い支出で生活する
1つ目の成功法則で重要なポイントは、「はるかに低い支出」という部分です。
内容はシンプルで、収入と支出の差を広げれば手元に残るお金が増えます。
例えば毎月の手取り額が30万円の人の場合、月20万円で暮らせば毎月10万円の貯金ができます。
もしお金を貯めるスピードを上げたいと思うなら、毎月100万円稼ぎ支出を月20万円のまま暮らせば良いというわけです。
毎月80万円貯金できた場合、約10年あればミリオネアの仲間入りです。
これはスピードを上げることを前提にした極端な例かもしれませんが、本質は変わりません。
「資産 = 収入 ― 支出」ということは覚えておきましょう。
仮に手取りが1,000万円あっても、支出が1,000万円であれば資産は増えません。
逆に手取りが400万円だったとしても、支出が200万なら資産は確実に増えていきます。
「固定費の見直し」で支出を減らしつつ、「転職や副業」で収入を増やすという双方向からアプローチしていくと収入と支出の差を広げやすくなります。
皆さんは「収入よりはるかに低い支出で生活する」ことができているでしょうか?
もしできているのであれば、億万長者への仲間入りは時間の問題です。
まだできていないという人は、再現性の高い固定費の見直しから始めてみるのがおすすめです。
具体的なやり方については、支出を最適化にて解説しています。
成功法則②:彼らは、資産形成のために、時間、エネルギー、お金を効率よく配分している
億万長者になった人の多くは、資産形成のために努力を行っています。
そして本記事を読んでくださっている皆さんも、今まさに「資産形成のために時間・エネルギー」を使っている最中です。
ある日突然、億万長者になるというケースは珍しく、日々の家計管理や投資計画など小さな積み重ねが重要です。
資産をつくることができている人を「蓄財優等生」、できていない人を「蓄財劣等生」として大きく2つのグループに分けると決定的な違いがありました。
それは「蓄財優等生は蓄財劣等生の二倍の時間を資金運用のためにかけている。」ということです。
蓄財劣等生は優等生に比べ、資金運用の専門家に相談する時間、セミナーなどに出席する時間、信頼できる会計士や弁護士を探す時間がはるかに少ないです。
蓄財劣等生にスポットを当てると、彼らは下記の2点に不安を感じていることも判明したそうです。
- 老後、快適な生活をするだけの資産がない。
- 一生、資産ができないのではないか?
皆さんは蓄財優等生と蓄財劣等生どちらのグループになりそうですか?
もし蓄財劣等生から蓄財優等生になりたいと思うのであれば行動するしかありません。
ただし一点注意したいのは、投資計画に時間やエネルギーを使いすぎてしまうことです。
「成功法則①」でもお伝えした通り、資産は収入と支出の差から生まれます。
無駄な支出を無くし余剰資金が資産運用に繋がる仕組みを作ったら、そこから先は収入を上げることにも「時間、エネルギー、お金」を分配し忘れないようにする必要があります。
そうすることで収入と支出の差がさらに広がり余剰資金が増えるので、「資産運用」の加速に繋がります。
成功法則③:彼らは、お金の心配をしないですむことのほうが世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える
億万長者の多くは、世間体よりも自分らしく自由な人生を送ることを望んでいるということです。
そして自分らしく自由な人生を送るために「お金の心配は邪魔になる」と考えています。
下記のように周囲の目を気にした経験はありますか?
- 「SNSに載せるために行った高級料理店」
- 「社会人になったら車をもって当たり前」
- 「マイホームを買って一人前」
決して家や車を買ったり、美味しいご飯を食べたりすることが悪いことではありません。
しかし世間体を気にして、自分の価値観で判断できていないのであれば満足度も低く資産を築くことも難しくなるでしょう。
一方で「お金は使わなければ意味がない・不幸」と考える人もいます。
これは価値観の違いなので、どっちが良い悪いではないと思います。
ただ億万長者の多くは、「お金の心配をしないですむ」ことのほうが重要だと考えているというだけです。
皆さんも自分の価値観がどちらに近いのか、考えてみてはいかがでしょうか。
気を付けないと!
成功法則④:彼らは、社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない
億万長者の多くは親からの経済的な援助を受けておらず、自分の力で資産を築いています。
自分の収入に加え、親から金銭的援助を受ければ資産が増えるように思えますが、実は逆のことが起きているのです。
では親から必要以上に経済的な援助を受けると、どうなるのか。
- 与えられた金は貯蓄よりも消費に使われる。
- 親から経済的援助を受ける人は、自分の財産と親の資産を同一視する傾向がある。
- 親から経済的援助を受ける人は借入金に頼る割合が高い。
- 親から経済的援助を受ける人は投資に回す金額が少ない。
①のポイントは消費に拍車がかかり、その後もずっと親の金に依存するようになってしまう点です。
最悪のケースでは自立しようとせず、どうやったら親からお金を引き出せるかに力を注ぐようになっていきます。
このような状況では資産が築けるはずもありません。
②のポイントは親から援助を受けていると経済的にゆとりがあると考え浪費が進み、さらには親の土地などを自分のものだと勘違いしはじめる点です。
このような人たちは援助を受けている最中も「自立」していると思っているので驚きです。
③のポイントはいずれ多額の遺産が入ってくることを当てにして、ローンやクレジットカードを利用する点です。
経済的援助を「受けているグループ」と「受けていないグループ」を比較すると、その借金の額も経済的援助を「受けているグループ」の方が多くなる傾向があります。
④のポイントは経済的援助を「受けているグループ」は、金遣いが荒く、投資に回す金額が少ない点です。
投資に回す金額は経済的援助を「受けていないグループ」の65%です。自己申告ベースなのでこれよりも低くなることはあっても高くなることはないでしょう。
以上の通り、親から経済的援助を受けた人は資産形成をするための工夫をせず、ただひたすらに浪費にお金を使う傾向があるというわけです。
経済的援助を受けるとお金持ちになれる可能性が低くなることを頭に入れ、自分の力で資産を作るほうが結果的に近道なのかもしれません。
成功法則⑤:彼らの子供たちは、経済的に自立している
書籍の中ではいくつかのエピソードと共に、子供への接し方が経済的な自立に大きく影響を及ぼすことが紹介されています。
ではどうしたら経済的に自立した子供に育てることができるのか。
しっかりとした子供を育てた億万長者たちの話から浮かび上がってきた10個のヒントを紹介します。
- 子供に両親が金持ちだと絶対に教えない
- どんなに金があろうと、子供には倹約とけじめを教えること
- 子供が大人になり、自己管理ができるようになり、きちんとした職業について安定した生活を送るようになるまで、親が金持ちだと気づかせてはいけない
- 子供や孫に、何を遺産に与えるつもりか、なるべく話さないこと
- 現金や高価なものを駆け引きに使うな
- 巣立った子供の家庭のことには立ち入るな
- 子供と競おうと思うな
- 子供はそれぞれ違う、独立した人間であることを忘れるな
- 成功をもので計るのではなく、何を達成したかで計るように教育しよう
- 子供にお金よりも大切なものがあることを教えよう
成功法則④と似ている部分が多いことに気づいたでしょうか。
親が子供への経済的援助が必要だと感じるときは、大抵家計の状況が良くない場合です。
しかし良かれと思ってやった親の経済的援助は、弱い人をさらに弱くし、強い人になるチャンスを奪ってしまうこともあります。
経済的に自立した子供を育てたいと思うのであれば、成功した先輩たちの10個のヒントを参考にしてみてはいかがでしょうか。
僕もがんばろう!
成功法則⑥:彼らは、ビジネス・チャンスをつかむのが上手だ
アメリカでのビジネスが前提になるものの、お金持ちを相手にしたビジネスには好機がたくさんあることが解説されています。
倹約家のお金持ちでも税務や法律相談、医療、教育、住宅、事業など使うべきところにはしっかりとお金を使う傾向があります。
「無い袖は振れない」ので、振れる袖がある層をターゲットにしているというわけです。
- 専門分野に特化した弁護士
・相続専門の弁護士
・税務(特に所得税と資産税)専門の弁護士
・移民法に強い弁護士 - 医師及びヘルスケアの専門家
- 資産の鑑定・管理・売却の専門家
- 私立の教育機関と教職員
- 会計士
- 住宅関連事業
- 慈善事業
- 旅行業
上記以外のビジネスや職業はチャンスを掴むことができないのか?そんなことはありません。
例えば年収を上げる転職にチャレンジしてみたり、副業(事業所得)で会社に頼らず稼ぐスキルを身に着けたりと方法は無数にあります。
この成功法則から学ぶべきポイントは、経済的に成功したければ「チャンスを掴む」行動が必要だということです。
成功法則⑦:彼らは、ぴったりの職業を選んでいる
皆さんは職業を聞かれたとき何と答えますか?
例えばサラリーマンの人であれば会社員、個人事業主の人であれば自営業者といった感じでしょうか。
厳密には会社員というのは「立場」を示しているので、「職業」というのは職種の方が意味合いとしては近くなります。
- 営業
- 総務・人事
- 経理・財務
- 研究開発
- 企画・マーケティング
- エンジニア
- コンサルタント
- 運転士
- 建築・土木技術職
職業はどこまで細分化するかにもよりますが、何十種類にも分かれます。
「ぴったりの職業」を選ぶ必要がある理由は、好きな仕事か嫌いな仕事かによって自発力が違うからです。
皆さんも学生時代の部活や趣味など、これまでに時間を忘れ没頭した経験が少なからずあるのではないでしょうか。
別の書籍になりますが、『バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか』で「自分自身を最大の資本とせよ」ということが書かれています。
労働から得られる収入は、お金持ちになるためには重要なことです。
ある人にとっては「嫌いなこと」でも、別の人にとっては「好きなこと」「楽しいこと」は往々にしてあります。
例えばパソコンに向かって作業をすることは嫌いでも、営業やコンサルタントなど人と接して何か提案することが好きなどです。
これはまさに個性なので、今の職業に違和感がある人は自分にぴったりの職業を探してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は「となりの億万長者」から7つの成功法則について解説しました。
- 彼らは、収入よりはるかに低い支出で生活する
- 彼らは、資産形成のために、時間、エネルギー、お金を効率よく配分している
- 彼らは、お金の心配をしないですむことのほうが世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える
- 彼らは、社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない
- 彼らの子供たちは、経済的に自立している
- 彼らは、ビジネス・チャンスをつかむのが上手だ
- 彼らは、ぴったりの職業を選んでいる
これらは膨大な統計データをもとにした成功法則なので、特定の個人にしか当てはまらないような特殊なものではなく再現性・妥当性・普遍性が高いと思います。
億万長者となった彼らの考え方を学び行動すれば、経済的な成功に近づける可能性が高まるでしょう。
成功を生む7つの法則とだけ聞くと大それたことのように感じますが、本記事を通して自分にもできるかもしれないと思う部分があったのではないでしょうか。
少しずつ行動し変えていければ、今回紹介した成功法則に当てはまる数を増やすことができます。
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。