海外の資産に投資するときは為替リスクに注意した方がいいよ言ってたと思うんだけど、もう少し詳しく知りたいなって思って…
すごく重要なことだから、為替リスクにスポットを当てて解説するね!
外国株式の為替リスクとは?適正なリスク守りながら投資する方法について解説します。
投資信託の中でも米国株式や全世界株式は特に人気があり、投資している人も多いのではないでしょうか。
これらは外国株式に投資をすることになるので、為替リスクがあります。
自分がどういった企業や国に投資をしているのかは知っていても、意外に為替リスクを軽視している人がいます。
為替リスクを安易に考えていると「こんなはずじゃなかった」となりかねません。
転ばぬ先の杖として為替リスクとは何なのか理解し、適正なリスクの範囲内で投資していきましょう。
株式に限らず外国の資産に投資をするなら、必須の知識と言えるので参考にしてください。
円安・円高のおさらい

外国の資産に投資する場合、為替リスクは付き物です。
円安に傾いた際はプラスに、円高に傾いた際はマイナスに繋がります。
なので本題に入る前に「円安」と「円高」についておさらいしておきましょう。
例えば一年前は1ドル100円だったが、今は1ドル120円出さないと両替できなくなってしまったとします。
この場合、一年前は100円で両替できてわけなので差額の20円分が円安になります。
つまり円の価値が安くなったというわけです。
今度は逆に円高になった例を考えてみましょう。
一年前は1ドル100円だったが、今は1ドル80円出せば両替できるようになったとします。
一年前は100円出さないと両替できなかたったわけなので、差額の20円分が円高になります。
つまり円の価値が高くなったというわけです。
次に損得の視点で見てみましょう。
例えば100円で1ドルと両替したとします。(手元にあるのは1ドル)
後日1ドル120円になったとすると20円の利益になり、逆に円高により80円になってしまうと20円分損するというわけです。
上記の内容をまとめると下記のようになります。
・円安:円の価値が下がること
→為替による利益を生む要因になる
・円高:円の価値が上がること
→為替による損失を生む要因になる
もし円安と円高どっちだっけと迷ってしまったときは、「円の価値が」と言い換えるとわかりやすいので混乱してしまったときは試してみてください。
為替リスク

では本題の為替リスクについて解説していきます。
米国株式や全世界株式など外国資産に投資している人は、先ほど解説した通り円安に傾いた際はプラスに、円高に傾いた際はマイナスに繋がります。
下記のような投資信託を購入している人は、絶対におさえておくべき知識なので順番に確認していきましょう。
【米国株式】
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 楽天・S&P500インデックス・ファンド
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
【全世界株式】
ここでは米国株式全体に投資できるS&P500を例にしながら説明していきますが、基本的な考え方は全世界株式も同じです。
下記はS&P500のチャートで、特にここ数年は大きく上昇しています。
下記はS&P500のチャートで、特にここ数年は大きく上昇しています。
(2015年11月~2025年9月)
アメリカは先進国の中では珍しく人口増加が見込まれていることに加え、AppleやMicrosoft、Amazon、Googleを筆頭に世界的な企業がいくつもあります。
今後の成長も期待できることから人気があるわけです。
皆さんが購入している投資信託の金額は、円換算されて表示されていると思います。
S&P500は米国株式の集合体なので、投資する際は米ドルが必要となります。
投資信託が自動的にやってくれているので実感がわきにくいですが、実は日本円を米ドルに換える作業が行われています。
つまり米ドル建ての資産を持っていることになるので、為替(円安・円高)の影響を良くも悪くも受けるというわけです。
下記はS&P500純粋な値動きと、円換算した場合を比較したものです。
まず純粋なS&P500である青い線を見ると2016年ごろ上昇しています。
一方で円換算した緑色のグラフは下落しています。
なぜこのようなことが起きるかというと、円高が進んだことが原因です。
もしこのとき円高の進行と株価の下落が同時に起きていたら、ダブルパンチというわけです。
逆に円安と株価の上昇が同時に置いた場合は、本来のS&P500よりも為替の影響を受けファンドの価格は上昇します。
他の資産と比較しても株式は変動の大きい資産です。
外国株式はさらに為替リスクも加わるため、タイミングによってはファンドの価格が大きく変動することになります。
指数と投資信託の基準価格にズレがあるときは、為替の影響を確認してみましょう。
適正なリスクの取り方

下記は2013年7月1日から2018年の8月31日においてS&P500(青線)と為替ヘッジ付でS&P500(赤線)に投資した結果を比較したものです。
為替ヘッジありで投資した方が、手数料の分リターンが劣っていることがわかります。
では高い手数料を取られず、適正なリスク許容度の範囲内に収める方法はないのか。
私が実践している方法を2つ紹介します。
- 生活防衛資金を準備しておく
- 長期での積み立て投資
生活防衛資金を準備しておく
生活防衛資金は予期せぬ出来事が起きても、余裕をもって対応できるようにするためのものです。
もし株価の下落と円高が同時に起きたとしても、生活防衛資金があれば冷静な判断をしやすくなるでしょう。
生活防衛資金は投資をする・しないに関係なく準備しておくべきものですが、投資をするならより一層重要な役割を担うことになります。
生活防衛資金を準備すると下記のようなメリットを得られるからです。
- 予期せぬ出来事への対応力を上げる
- お金を貯めるサイクル(仕組み)ができる
- 投資に対して合理的な判断がしやすくなる
詳しくは下記の記事で解説していますので、覗いてみてください。

長期での積立投資
為替は金利や経済状況、政治的要因などいくつもの要因が重なり合うことで決まるので上下変動を読むのは至難の業です。
ドルコスト平均法は購入タイミングを分散させることのできるので、株価だけでなく為替リスクに対しても有効です。
図にすると以下のような感じです。
ドルコスト平均法で投資することによって高値の時には少なく、安値の時には多く買うことができます。
つまり円安や円高に関係なく淡々と積立投資することで、為替リスクの影響を減らすことが期待できます。
まとめ

外国株式の為替リスクとは?適正なリスク守りながら投資する方法について解説しました。
- 円安・円高をおさらい
- 為替リスク
- 適正なリスクの取り方
外国株式への投資は為替リスクがあり円安に傾いたらプラスに、逆に円高に傾いた際はマイナスに繋がります。
為替リスクを安易に考え、自分のリスク許容度をいつの間にか超えないように気を付けましょう。
インデックス投資において、絶対に避けたいのは市場からの退場です。
だからこそ生活防衛資金を準備して、長期目線でコツコツ投資していくことが重要です。
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
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