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【基礎知識】投資信託の純資産総額とは?変動要因と繰上償還リスクについて解説

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ぱぐたくん
ぱぐたくん
かめしまくん
前に投資信託を選ぶときは純資産総額も重要な要素だって言ってたじゃん。
僕も毎月積立してるし、詳しく知りたいなって思って…
かめしまくん
かめしまくん
今回は投資信託の純資産総額について解説していくね!

今回は投資信託の純資産総額とは?変動要因と繰上償還リスクについて解説します。

投資信託の基準価額やリターンを気にする人は多いように感じますが、純資産総額を理解している人は少ないように思います。

純資産総額は、投資信託を構成する重要な要素です。

場合によっては繰上償還という形で投資信託の運用が強制終了となることもあるので、純資産総額について理解しておきましょう。

この記事でわかること
  1. 純資産総額の基礎知識
  2. 純資産総額が変動する理由
  3. 純資産総額が増えるメリット
  4. 純資産総額が減るデメリット

純資産とは

純資産総額は投資信託(ファンド)の規模を表すもので、中身である株式や債券などの時価総額のことです。

詳しくは後述しますが純資産総額は、資金の流入や流出、株式や債券の価格変動などで日々増えたり減ったりします。

また純資産総額が一定のラインより少なくなると、その投資信託は繰上償還(強制終了)となることもあるので投資信託選びをする際は必須のチェック項目です。

長期投資をしようと思って買っていても、繰上償還となってしまえば運用が強制終了となってしまうので計画も大きく崩れてしまいます。

ではこの辺りを頭の片隅に入れながら、投資信託の純資産総額についてもう少し詳しく見ていきましょう。

下記は人気の投資信託である eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の純資産総額です。

出典:楽天証券 –  eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

2025年10月31日(AM)時点では、92677.44億円と記載されています。

投資信託は文字通り投資を信じて託す商品であり、投資家から集めたお金を運用会社がまとめて株式や債券、不動産などに投資するという構造です。

出典:一般社団法人投資信託協会-そもそも投資信託とは?

例えば3人の投資家が1口当たり1円の投資信託に、それぞれ下記のように投資をしたとします。

投資内訳
  • 5万円(5万口)
  • 3万円(3万口)
  • 2万円(2万口)

3人の投資額を合計すると10万円(10万口)集まり、この投資信託の純資産総額は10万円となります。

つまり純資産総額は、どのくらいお金が集まっているのかという規模を確認するのに使える指標です。

では次に純資産総額の変動要因について見ていきましょう。

ぱぐたくん
ぱぐたくん
純資産総額を口数で割ると、基準価額が計算できるんだったよね!

純資産総額の変動要因

純資産総額が変動する要因は主に下記の5つです。

  1. 資金の流入と流出
  2. 資産価格の変動
  3. 為替リスク
  4. 投資信託の運用コスト
  5. 分配金の影響

 

変動要因 ①:資金の流入と流出

資金の流入と流出は先ほど少し触れましたが、投資信託に入ってくるお金と出ていくお金のことです。

購入が増えれば増えるほど「流入」に繋がり、逆に解約があると「流出」に繋がります。

変動要因 ②:資産価格の変動

資産価格の変動は投資信託の中身が株式や債券など、資産価格が変動するものの場合に起きます。

純資産総額は時価総額なので、株式などの価格が変わると純資産総額も変動するというわけです。

変動要因 ③: 為替リスク

為替リスクは外国の資産に投資する投資信託の場合に発生します。

円安になれば上昇に繋がり、逆に円高になれば下降に繋がります。

意外と為替リスクを軽視している人も多いですが、資産価格の変動と重なると思っていた以上に価格変動することもあるので為替リスクは必ずおさえておきましょう。

変動要因 ④: 投資信託の運用コスト

投資信託の運用コスト(手数料)は、純資産総額を減少させる要因になります。

当然投資家からすれば運用コストは低いに越したことはありませんが、100点を追い求めてコロコロ投資信託を乗り換えるのはおすすめしません。

変動要因 ⑤: 分配金の影響

分配金は純資産総額から支払われるので、減少要因になります。

分配金を売りにしている投資信託もありますが、分配金にはメリットとデメリットがあるので自分の目的と照らし合わせながら選択しましょう。

ある程度、投資信託の純資産総額について理解できてきたかと思います。

では純資産総額が増えることのメリットと、減少することのデメリットについて見ていきましょう。

ぱぐたくん
ぱぐたくん
純資産総額は購入や解約以外でも変動するんだね!

純資産総額が増えるメリット

純資産総額が増えることで受けられる最大のメリットは、運用コストが抑えられる傾向にある点です。

優良投資信託の一つである eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の交付目論見書を確認するとファンドの主な費用が下記のように記載されています。

出典:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)- 交付目論見書 使用開始日 2025.1.25

 

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の手数料
  • 購入時手数料:ありません。
  • 信託財産留保額:ありません。
  • 信託報酬:年率0.08140%(税抜 年率0.07400%)以内

まずこの投資信託では純資産総額に関係なく、「購入時手数料」「信託財産留保額」はないことがわかります。

そして少し下に目をやると信託報酬は、年率0.08140%(税抜 年率0.07400%)以内 と赤字で書かれています。

さらに下に読み進めていくとファンドの純資産総額に応じて「信託報酬率」が減少していくことが表形式で書いてあります。

元々、低コストなであることに加えて、純資産総額に応じてさらに信託報酬が下がってくれるのは投資家としてはありがたい限りです。

ちなみに購入している人も多いeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も純資産総額に応じて信託報酬率が下がる仕組みをとっています。

ぱぐたくん
ぱぐたくん
投資信託の規模が大きくなると、投資家にもメリットがあるんだね! 

純資産総額が減るデメリット

純資産総額が減ることで受ける最大のデメリットは、繰上償還になることです。

繰上償還のリスクとはある一定の条件を満たすと、投資信託の運用が強制的終了となるリスクのことです。

これは私も含め長期前提で投資している人にとっては、絶対に避けたい事態と言えます。

例えばある投資信託で売却が相次ぎ資金が流出した場合、純資産総額が減少するので繰上償還のリスクが出てきます。
あまりにも純資産総額が減っていくと、運用自体がままならなってしまうことが原因です。

では繰上償還になるとどうなるのかと言うと、その時点で損益が確定することになります。
つまり利益であれ損失であれ、自分のタイミングで売却できないというわけです。

具体的に繰上償還となった投資信託の例を見てみましょう。

三井住友トラスト・アセットが「SMT 日経アジア300インベスタブルインデックス・オープン」の繰上償還のお知らせを下記の通り発表しています。

出典: 三井住友トラスト・アセットマネジメント - SMT 日経アジア300インベスタブルインデックス・オープン

つまり口数が少ない状態が続いていることが理由だと書かれています。

また投資信託の説明書にあたる目論見書には、繰上償還について下記のように書かれています。 (2025年2月11日 )

出典: 三井住友トラスト・アセットマネジメント - SMT 日経アジア300インベスタブルインデックス・オープン

実際にこの投資信託の純資産総額を運用報告書で確認すると約5.68億円、受益権総口数は約3.68億口となっています。(2024年11月11日 )

出典: 三井住友トラスト・アセットマネジメント - SMT 日経アジア300インベスタブルインデックス・オープン

この投資信託は「信託期間 無期限」で2018年2月20日から運用が開始されていますが、約7年半で運用終了となっています。
信託期間が無期限だからと言って、無条件に運用が続くわけではないことを覚えておきましょう。

繰上償還の条件は投資信託によって多少の違いはありますが、純資産総額の最低ラインを10億円(口)から30億円(口)に設定していることが多いです。

繰上償還のリスクを回避するためにも、最低限自分が購入しようとしている投資信託の純資産総額は今いくらなのか確認するクセを身につけましょう。

また「繰上償還」繋がりで言うと、テーマ型の投資信託もおすすめしません。

テーマ型の投資信託は時代や流行りが変わると運用成績が大きく下がり、残高も減少に転じることがあります。

20年・30年と長期で投資していく場合は、伝統的でしっかりと実績のある指数に連動する投資信託を購入することをおすすめします。

伝統的な指数の例
  • S&P500
  • VTI
  • MSCI ACWI
  • VT
  • 日経平均株価
  • 東証株価指数(TOPIX)

どこまで行っても投資は自己責任です。
だれも責任を取ってはくれないからこそ、必ず純資産総額を確認するようにしましょう。

ぱぐたくん
ぱぐたくん
僕は長期投資で考えてるから繰上償還は絶対避けたい状況だね。
僕が買ってる投資信託は大丈夫かな…
かめしまくん
かめしまくん
だいたい繰上償還は30億円が一つの目安だけど、ぱぐたくんの持ってる投資信託は国内でもトップクラスの純資産総額だから、あまり心配しなくても大丈夫だと思うよ!

まとめ

まとめ

今回は投資信託の純資産総額とは?変動要因と繰上償還リスクについて解説しました。

  1. 純資産とは
  2. 純資産総額の変動要因
  3. 純資産総額が増えるメリット
  4. 純資産総額が減るデメリット

純資産総額は投資信託(ファンド)の規模を表すもので、中身である株式や債券などの時価総額のことです。

資金の流入や流出、資産価格の変動など純資産総額が変動する要因についても解説しました。

純資産総額が一定のラインより少なくなると、その投資信託は繰上償還(強制終了)となることもあるので投資信託選びをする際は必ずチェックしましょう。

ここ数年でNISAやiDeCoなど税制優遇の制度も拡充してきています。

証券口座を持っていない人やこれから本格的に投資していきたいと考えている人は、「楽天証券」か「SBI証券」がおすすめです。
まずは口座開設から始めてみましょう。

以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。